「民間の武術が見たいぜぇ〜、交流したいぜぇ〜」という、只それだけの理由で、中国各地をぷらぷら探検する奇特な人々の集団である。隊員のほとんどは社会人であるらしい。 「おまえ、また中国行くのかよぉー」等という先輩同僚の声を振り切り、幾度と無く探検に参加する常連の隊員には世捨て人が多いと聞く。探検費用捻出のため借金をし、休みをとるため裏工作をする者もいるという。 (ぼくは違いますよ。念のため) 涙無くしては語れない苦労もさぞや多い事であろう。 そこまでして行く中国には、なにが待ち受けているのか? 民間武術家とはいったいなんなんだ? この物語はそんな『民間武術探検隊』の怪しくも楽しい、そして、血沸き肉踊る冒険の記録なのである。 |